何も持たずに生まれきたのに。
人は、失うことへの恐怖にどこか怯えながら生きている。
その失いたくないものが増えると、その人の強さになることもあるし、
弱さにつながることもある。
失いたくないものと一言で言ってもいろいろなものがある。
(A)お金、権力、地位、名誉
(B)家族や友人など「人」
このうち、(A)を失うことで(B)も失うと言う人もいる。
これについては、今回は触れない。
また、生まれた家によっては(A)が約束された状態の場合もあるけれど、
それは、人生の中で得ていくものが多い。
人はなぜそれらに執着するのか。
手に入れる為に必死に頑張ったからなのか、
無くなると自分でなくなってしまうような錯覚に陥っているのか。
そうかと思えば、本心かどうかは別として、
「何も無かった頃のほうが幸せ」と浸る人もいる。
何が正しくて、何が良いとは言えないけれど、
どれも、程良い緊張感と、責任感を持つことには良い影響もあるだろう。
けれど、度を超えるとそれはただの執着心となり、
それらを守る為だけの人生になってしまう。
それが悪いとは思わない。(特にBに関しては)
ただ、(A)に限っては、守る為に多くの事を見失っていないか、
自分に問う時間も必要だと思う。
世の中に対してそう感じる場面が増えたのは、
オトナになって、大人とつきあうようになったからなのかな。